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不安を紙に書く

こんにちは。仙台市青葉区のおざわ心理相談室です。

新型コロナウィルスの影響で、落ち着かない日々を過ごしていらっしゃる方も多いと思います。

不安や心配ごとを考え始めると、気になって他のことが手につかなくなることもあるでしょう。スマホで調べごとをしているうちに、いつのまにか時間が経っていることがあるかもしれません。考えていると、だんだん目がさえて夜眠れなくなってしまうこともあります。

不思議なもので、頭の中にある心配や不安は、消そうとか考えないようにしようと思えば思うほど、逆にいろんなことを思いついて、ますます不安でいっぱいになってしまうことが多いのです。不安は不安を呼ぶのですね。

まるで雪だるまのようだと思いませんか?雪の上にちいさな雪の玉をコロコロと転がしていくと、大きくなって、雪だるまが作れるくらいの大きさになる感じです。小さな雪の玉であれば、扱いも楽ですが、大きくなると重くなって扱いが大変になります。

不安も同じで、小さい不安のうちに対処しておけると良いですよね。ここでは、紙とペンを使ったセルフコントロールのアイデアをご紹介します。ここで大事なのは、タブレットやスマホといった電子媒体ではなく、紙とペンを使うことです。自分の手で文字を書くことは、心を落ち着かせる効果もあるからです。

1)思いつくままに紙に書きだして、目に見える形にする(視覚化)
心配事を思いつくままに紙に箇条書きで書きだしてみましょう。頭の中で考えていると心配事はキリがないように感じるのですが、紙に書きだしてみると、考えていたよりも数が少ないことがわかります。

大き目の紙を使って、箇条書きの間には余白を取っておくと後の作業がやりやすくなります。

2)優先順位をつける
心配ごとの緊急度、重要度によって、自分なりの基準というか優先順位をつけてみましょう。優先順位の低いものは、今日ではなくて、たとえば一か月先に対応を始めればよいことかもしれません。優先順位をつけることで、いま自分が対処するべきことが明確になります。

3)仕分けする
・自分にしかできないことと、他の人でもできることを分けてみましょう。自分でやらなくても、他の人でもできることはありませんか?もし他の人でもできることであれば、一人で何もかも抱え込まずに、協力をお願いしてみましょう。

・「自分ではコントロールできないこと」と「自分でコントロールできること」に分けてみましょう。天候といった自然現象もそうですが、他の人の行動をコントロールすることはできません。自分の周囲を変えることができない場合は、自分にできることに集中して、ベストな対応することが大切になります。自分のコントロールできないことにとらわれず、自分でコントロールできることに集中すると、自分がやるべきことが見えて、こころを落ち着けることができます。

自分で対応しなくていいこと、自分のコントロールの範囲外の事柄が洗い出せたら、その項目は横線をひいて消してしまいましょう。

4)残った心配ごとそれぞれに思いつく対処方法を書いてみる。
どんなアイデアでもいいですから、とにかく書いてみましょう。

もし、対処方法が浮かばない時は、自分が友だち・家族から相談されたら、どんな提案をするかなぁと、視点を変えてみるといいでしょう。あるいは、自分が尊敬する人だったらどう対処するだろうか?と、考えてみるのも良いと思います。こうすることによって、心配ごとを冷静にとらえて対処方法を考えられるようになります。

たとえ対処方法がうまく見つからなくても、冷静になって不安な気持ちもおさまって来ると思います。

書きだした優先順位と対処方法を見ながら、無理のないスケジュールを立てていきましょう。

頭の中で考えがまとまらなくなった時は、紙に書いて、悩みを目に見える形にしてこころを落ち着けていきましょう。このアイデアが少しでも皆さまのお役にたてれば幸いです。